2025年7月28日(月)~29日(火)にかけて「多文化共生の担い手・実践者全国会議2025」が開催されました。これからの多文化共生社会の形成に向けて、多文化共生の分野で活動するNPOやNGO団体、関係省庁、政府系団体が集まり、かめのり財団も参加しました。全国から対面とオンラインで200名以上が参加し、参加者のネットワークづくりにも貢献できた充実した2日間の会議となりました。
多文化共生の担い手・実践者全国会議2025
今回の会議の目的は3つありました。
多文化共生の担い手・実践者全国会議2025の目的
①地域で多文化共生の実践を重ねる担い手が一堂に会し、顔の見える関係を構築する。
②外国人受け入れをめぐる政府や関係機関とNGO/NPOとの意見交換の機会を創出し、官民連携による多文化共生の取り組みを推進する。
③地域での多文化共生社会の形成に必要な人材や資金のあり方を議論し、持続可能なエコシステム(生態系)の確立を目指す。
3つの目的を実現すべくプログラムは2日間に渡り実施されました。
1日目のオープニングセッションでは、「地域における多文化共生の現状と課題」について、国際協力機構(JICA)、国際交流金(JF)、自治体国際化協会(CLAIR)の取り組み事例が紹介されました。その後、5つの分科会に分かれて事例検討や議論が展開されました。
【分科会】
分科会① 広域連携での多文化共生の推進
分科会② 多職種連携による地域福祉の取り組み
分科会③ 労働現場の課題から考える地域における多文化共生の仕組みづくり
分科会④ 多文化共生時代における災害時対応
分科会⑤ 人材と資金のキャパシティビルディング
かめのり財団からは西田浩子常務理事が分科会⑤に登壇し、かめのり財団のこれまでの取り組み紹介や助成先のNPO/NGO団体等が抱える資金調達の難しさや活動継続の困難さも課題として提起しました。
第4分科会では多文化共生時代における災害時対応として、能登半島地震等の災害支援の現場で活動している関係者の事例や課題、外国ルーツの登壇者がリーダーとなり、在住外国人への防災教育を実施している取り組み事例などが紹介されました。彼女は、日本国民ひとりひとりが外国ルーツの在住者について関心を持つことの必要性と、外国ルーツの在住者へ必ずしも100%の支援をする必要はなく、彼らが日本で暮らしていく中で自分で課題を乗り越える成功体験を積むことも大切であることと訴えました。自らの成功体験こそが、次に新たに在住をはじめる生活者支援につながる、外国ルーツの人がいつまでも支援を受ける側ではなく、自分が支援する側(支援者)になっていくことがこれからの日本社会に求めらていくということに目を向けることができました。
その他の分科会でも、事例紹介の後に活発な質疑応答が行われ、終了時間を越えて盛り上がりを見せる分科会もありました。熱意のある参加者の交流は懇親会の場でも積極的に行われていました。
2日目のクロージングセッションでは、関係省庁が登壇し、各省庁の外国人受け入れへの取り組みや方向性について説明しました。日本の国としての方向性はまだ一貫性はないように思えましたが、各省庁内でも、多文化共生への関心や認識が高まっていることがわかりました。近い将来、各省庁が同じ方向を向いて連携しながら施策を考え、国として外国ルーツの方を受け入れるための方向性を提示してもらいたいと思います。
今回の会議は、関係省庁や政府関係機関、NGO/NPO団体の関係者が集う場となり、現在の日本が直面している現状を一緒に認識し、参加者が同じ方向性を向いて連携していくことを意識するきっかけになったと思います。誰もが住みやすい日本、住みやすい社会づくりのために、官民連携や広域連携と、外国ルーツの人財育成や寛容な社会を構築するための第一歩に一石を投じることができたかもしれません。
事業概要
多文化共生の担い手・実践者全国会議2025
主催:国際協力NGOセンター(JANIC)、多文化共生ワーキンググループ
共催:国際協力機構(JICA)、国際交流基金(JF)、自治体国際化協会(CLAIR)
助成:かめのり財団
開催期間:2025年7月28日(月)~7月29日(火)
会場:JICA地球ひろば 〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5(JICA市ヶ谷ビル内)