かめのり同窓会2023を開催しました

2023年3月21日(祝)、アルカディア市ヶ谷で「かめのり同窓会2023」を開催しました。2019年に続いて2度目の開催となる今回は、過去の大学院奨学生と、2019年以降のプログラム参加生が対象です。会場に足を運んだのは、国内外からちょうど100名。オンラインでも約20名が参加しました。旧交を温め、新しい出会いもたくさん生まれた同窓会でした。

 

咲き誇る桜のもと、参加者が続々と会場へ

 

 桜が満開に近づいたこの日、会場には早くから多くの参加者が集まり、至るところで再会を喜ぶ姿が。主催者挨拶として、理事長の木村晋介は次のように話しました。「かめのり財団発足以来、支援した人の数は約2,150人になりました。奨学生やプログラム参加生の皆さんは、その後どのような活躍をしているでしょうか。ぜひお互い報告し、学び合ってほしいですし、私たちも学ばせてほしいと思っています」

 

 かめのり財団創設者で評議員の康本健守は、出張先のカンボジアからオンラインで出席しました。「先ほどから映像を通して、皆さんの姿を拝見しています。今日はお会いできず残念ですが、ぜひ旧交を温めてください」と話しました。

 

 

和やかな歓談のなか、日本舞踊や津軽三味線、幇間芸を鑑賞

 

 乾杯の挨拶は、理事で奨学生選考委員長を務める野村彰男氏です。「先ほど今年度の奨学生への授与式を行い、6名の大学院留学生をかめのりファミリーに迎えました。ますます発展するかめのりファミリーの皆さんには、学んだことを活かして、社会で大いに活躍してほしいと思います。国と国の分断が起きる大変な時代となってしまいましたが、皆さんには異文化交流を通じ、対立のない世界を作り出していってほしいと願っています」

 

 和やかな歓談が続くなか、日本の伝統芸能を鑑賞する時間が設けられました。日本舞踊家の北条百様は、ちょうど見頃を迎えた桜にちなんだ舞踊をご披露くださいました。津軽三味線奏者の伊藤ケイスケ様による「千本桜」の演奏では、北条様のご指導のもと、皆さんで振り付けに挑戦。会場一体となって楽しみました。さらに、幇間芸(ほうかんげい)の松迺家八好師匠がご登場。幇間とは、お座敷を盛り上げる男性の芸者のことで、現在、日本にいらっしゃる幇間は6名のみだそうです。日本文化の紹介を交えつつ、南京玉すだれや唐傘など多様な芸をご披露いただき、お座敷遊びの虎虎では、参加者も舞台に上がって盛り上がりました。

 

 

すべての参加者が自己紹介し、世代を超えた新たな出会いへ

 

 同窓会は後半へと進みます。参加者を紹介するにあたり、奨学生選考委員の島田茂氏からお話をいただきました。「聖書にこんな言葉があります。『いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい』。苦しいことや悲しいこともありますが、このことを実践する生涯は皆さんの人生を豊かにします。皆さん、いつも喜び、絶えず祈り、どんなことにも感謝する人生を送りましょう」

 

 続いて、事業・プログラムごとに参加者が登壇。時間の関係で、現在の所属と名前を話すのみとなりましたが、プログラムや世代を超えた新しい出会いにつながる機会となりました。

 

 参加生代表のあいさつでは、2名が登壇しました。大学院奨学生の金東煥さんは、次のように話しました。「2008年から2年間、奨学金の支援を受けて日本で研究し、その後も10年間、日本に残って研究を続けました。現在は、韓国の中央議会で公務員として働いています。韓国は、厳しい財政状況や少子高齢化、地方消滅といった課題を抱え、日本の制度に強い関心を持っています。日韓関係の改善に少しでも貢献できれば、財団への恩返しにつながるという信念を持って、これからもがんばっていきたいと思います」

 

 高野乃愛さんは、かめのり中高生アンバサダープログラムの参加生で、現在は大学生です。「プログラムが私に与えた3つの影響があります。1つ目は世界に目を向け、海外で起きていることを知りたいと思うようになったことです。2つ目はアジアの言語を習得したいと、中国語や韓国語を勉強するようになったことです。3つ目は、アジアの人々を身近に感じるようになったことです。物理的な距離は遠くとも、同じ時間を過ごす地球市民です。同じ惑星に住む人間同士、助け合いながら未来を作っていくことができると考えています」

 

 

 

別れを惜しみつつも再会を誓い、活況のうちに終了

 

 会場の歓談は尽きませんが、閉会の時間が近づいてきました。常務理事の西川雅雄は閉会挨拶として、「今日、皆さんとお話をして、それぞれが大きく成長していることを実感しました。これからもどんどん成長していくことと思います。かめのりファミリーとして、アジアの平和、世界の平和に尽くしていただきたいと願っています」と話し、同窓会を再び企画したいと締めくくりました。

 

 最後には参加者から「奨学生・参加生同士で連絡を取れるよう、名簿を作りたい」という提案も。再会を誓い、かめのり同窓会2023は盛況のうちにお開きとなりました。

 

 

報告:近藤圭子