【報告】にほんご人フォーラム関連事業2024 (タイ) 

2025.08.29

 国際交流基金バンコク日本文化センターとの共催で2024年度「にほんご人フォーラム 関連事業(タイ)」を実施しました。2024年度は、2025年度にタイで開催される「にほんご人フォーラム2025」へ向けての準備期間でもあり、タイ日本語教師キャンプなどが実施され、2025年度の本番へ向けて教師たちが集まりました。

 現地の日本語専門家による実施報告レポートをお届けします。

 


報告:国際交流基金バンコク日本文化センター

日本語教育専門家  近藤 麻衣子

 

 「にほんご人フォーラム2025(タイ)」に向けて動き出しました!」

 

 2024年度は大きく2つの関連事業を実施することができました。

 

 1つは「にほんご人フォーラム2024(日本)」の参加者支援です。2025年1月から2月にかけて事後事業として参加教師のフォローアップを行いました。参加教師はフォーラム中に作成した授業案をタイに戻って自分の授業で挑戦しました。にほんご人フォーラム(以下、JSF)はタイの教師支援において、中堅の教師が次の段階に進む1つの重要な機会と捉えています。支援する側にとっても参加教師を丁寧に支援することで、アクティブラーニングの手法の1つである課題解決型学習(プロジェクト・ベースド・ラーニング、以下PBL)の実践を参加教師と共に考えていく機会となっています。授業見学では、参加生徒が積極的にグループ活動に取り組んでいる様子を見ることもできました。

 

 

             「授業見学Ⅰ」                        「授業見学Ⅱ」

 

 

 日本語教授法のセッションでは、コミュニケーション言語活動である「聴解」「読解」について扱い、生徒の聴解力や読解力を伸ばすための教え方について考えました。また、学習者体験のセッションでは、「会話のロールプレイ」と「朗読」を参加者に体験してもらい、自分達の会話や朗読を評価しました。そして、筆記試験では測ることができない生徒の会話力やグループ発表などをどう評価するか意見を出し合い考えました。そのほか、最終日には、日々の授業の実践を紹介する「アイデア交換会」を行い、グループごとに授業のアイデアや工夫を共有しました。聞いている人が積極的に質問をしたり熱心にメモをしたりしている姿が印象的でした。

 

 

  もう1つは2025年3月に5日間の日程で行った「教師キャンプ」です。2025年10月にタイでJSFを実施することが決まり、2024年度はそれに向けた準備を開始しました。教師キャンプでは、JSF2025(タイ)に向けて内容を検証・改善していくためにJSF2025(タイ)と同じテーマ「小さな心がけ、大きな変化! ~ゴミ問題について私たちにできることは?~」を実施しました。タイではこれまでのJSF参加教師の多くがその後も主体的に取り組みを続け、プログラムの企画立案に関わっていける力を持った教師がいます。そこで、生徒プログラムは中等教師と共に創り上げる方針を掲げました。4名の中等教師とバンコク日本文化センター(JFBKK)講師でチームを作り、準備に取り掛かりました。2度の合宿に加え、オンラインでも何度も打ち合わせを重ね、教師キャンプを実施することができました。今後はJSF2025(タイ)に向け、さらに改善を進めていく予定です。

 

 

        「中等メイン講師4名」                    「教師キャンプ-活動の様子」 

 

 

 2024年度の「教師キャンプ」は波及効果を期待して全国のセンター校と呼ばれる中核校の教師や、昨年まで同じくかめのり財団に支援していただいたリーダー教師育成プロジェクト(昨年の記事のリンクhttps://www.kamenori.jp/jfbkk2022-2023/)参加教師ら31名に対して行いました。

 

 

 タイでは、JSFが開始された2012年より日本語を教えるだけではなく、新たな教育観を土台としたアクティブラーニング、PBL、生徒のコンピテンシー(いわゆる「資質・能力」)を伸ばす手法を教師が体験し普段の教室活動に取り入れていってもらうことを念頭に教師向けのキャンプを実施してきました。コロナ禍で中断していた教師キャンプを数年ぶりに再開させることができ、初めて参加した教師も少なくありませんでした。他の参加者と協力して課題に取り組み、自ら考え行動したり、自由な発想で取り組んだりする経験を通して、参加者それぞれの視点で授業活動へのヒントを得ていたように思います。タイには学び続ける姿勢と自分の教室活動につなげていく応用力がある中等教師が多くいると感じています。先生方の積極的な取り組みを今後も支援していけたらと思います。

 

 

 

2024年度 教師キャンプ 集合写真

 

 

2024年度にほんご人フォーラム関連事業(タイ)概要