かめのり同窓会 Kamenori Reunion 2019

2019.04.21

 
 2019年3月30日(土)アルカディア市ヶ谷において「かめのり同窓会2019」が開催され、国内外74名のOBOG(現役の大学院留学アジア奨学生含む)が集結しました。これまで財団が奨学支援をした大学院生、大学生、中高生、教育関係者の現在数は1500名にのぼり、日本内外の様々な分野で活躍しています。財団では定期的に追跡調査を行っており、2006年の財団発足以来初の同窓会でしたが、初期のメンバーも多く訪れ、久しぶりの再会を喜ぶとともに世代を超えて交流を深めました。
 

 

 現役生含め大学院留学アジア奨学生を中心に、かめのり財団の留学奨学事業と青少年交流事業に参加したことのある74名があつまり、海外からは中国、韓国、カンボジア、タイ、フィリピン、インドネシアのOBOGが13名来日しました。「多文化共生を学び、厚い壁を乗り越えて友情を育んだ経験をもとに、それぞれの国が仲良くなるような活動をつづけてほしい」と常務理事 西川雅雄が主催者挨拶を行うと、評議員で奨学生選考委員を務める野村彰男氏が乾杯の挨拶を行い「みなさんとこうして再会できることは本当に嬉しい。仲間と出会い、あたらしい道を切り開くと人生観も変わる。同窓会は人生の貴重な糧になることでしょう」と話しました。

 

 

 つづいて、再会を祝福し、民族歌舞団「荒馬座」による太鼓や踊り、笛による桜の季節にちなんだ曲の演奏を観賞しました。獅子舞の獅子が参加者の厄除け、無病息災を祈って参加者たちの頭を噛みながら練り歩くと、会場にはたくさんの笑い声が起こりました。

 次に同窓会に参加した役員や奨学生選考委員が、参加者たちに一層の活躍を祈念し、ひと言ずつメッセージを送りました。「たくさんの友達を作り、みなで支え合う社会を作ってほしい。国を超えて平和を築いてほしい」(奨学生選考委員・島田茂氏)「みなさんは選ばれてかめのり財団の事業に参加をした。今後もそれぞれ地球市民として、いまどのような問題が起こっているのかを自分で考え、頑張っていってほしい」(評議員・河野宏子氏)といったコメントがありました。

 

 

 その後、事業・プログラムごとに参加者たちが登壇し、74名ひとりひとり現在の所属や近況について報告を行いました。大学院留学アジア奨学生では、自国あるいは引き続き日本で研究を続ける人もいれば、日本の企業やグローバルカンパニー、交流団体で活躍している人もいます。高校生や中学生向けのプログラム参加者たちも、様々なジャンルで進学や就職の報告がありましたが「フィリピンに派遣されたことで平和を考えるようになり、将来は国際平和に貢献する仕事がしたい」「訪中をきっかけにアジアにも目を向けるようになった将来は国際看護師になり、様々な国の患者のケアをしたい」「プログラムを通じて多国籍の、様々な宗教の人と交流をしたことをきっかけに、大学は法学部を選択し、法整備を学びたいと思っている」「プログラムに参加し、将来は恵まれない国の子供達に対する教育支援に従事したいと思っている」など事業やプログラムでの体験が、現在や将来の学びや目標につながっている参加生も多くいました。

 

 

 参加生代表の挨拶では、今回の参加生の中で最も初期の奨学生である姜性湖(カン ソンホ)さんは、奨学生へのサポート体制が初期のころより充実している状況について「みなさんにはチャンスが増えている。進路はそれぞれだと思うが、自分のやりたいこと、すきなことをこれからも打ち込んでください」と後輩たちへエールを送りました。また、2008年にアジア・オセアニア高校生交換留学でタイに派遣された佐藤亜美さんは、現在、地元京都でゲストハウスを営んでおり日頃から国内外の観光旅行客と接する中で、人とのつながりや交流を大切に考えていることを話しました。留学経験が現在の活動に与えている影響は大きく、「自分ができることには限界があるが、それぞれの国が仲良くして平和につながればうれしい」と話しました。

 

 同窓会は活況なまま終了の時間をむかえ、かめのり財団創始者で評議員の康本健守が閉会の挨拶を行い、同窓会を再び行うことを約束し「懐かしい面々に再会できてうれしかった。みなさんのさらなる成長を楽しみにしています」と締めくくりました。

 サプライズでコメントを求められた理事で事務局長を務める西田浩子も、集まった参加者たちに感謝の意をのべ「色々なプログラムが増え、国も広がり、こうしてみなさんとまた会えることができ、事務局として本当にうれしい。また同窓会は行っていくので、これからもかめのりとつながっていてください」と話しました。