【報告】高校生カンボジアオンラインスタディツアーを実施しました!

2014 年より(公社)日本ユネスコ協会連盟と共催している「高校生カンボジアスタディツアー」。日本の高校生がカンボジアを訪れ、国際協力の現場や世界遺産の視察、現地に暮らす人々との交流を通じてカンボジアが抱える課題を学び、個人としての貢献方法や持続可能な解決方法を考える力をつけることを目的としています。2020年度からはオンラインに切り替えて継続し、2023年8月19日(土)・20日(日)の2日間にわたりオンラインスタディツアーを行いました。

 


報告:公益社団法人日本ユネスコ協会連盟 学校支援部 柴田香里

 

 高校生(全国3校18名)を対象に、かめのり財団と共催で第4回目の「高校生カンボジアオンラインスタディツアー」を2日間にわたり実施しました。

 

 初日は、ワークショップを行った後、カンボジアの寺子屋*と寺子屋学習者の家庭訪問(オンライン)を行いました。「互いを知る」ことをテーマとしたかめのり財団主催のワークショップでは、高校生が自分の学校自慢をしたり、他校の生徒に積極的に質問したりして打ち解けていました。寺子屋訪問では、寺子屋の子どもたちがカンボジアの伝統的な踊りの「ココナッツダンス」の一部を披露してくれたり、高校生からの「将来の夢は何か」、「好きな食べ物を教えてほしい」といった質問に対して、子どもたちが笑顔で回答したりするなど、和やかな雰囲気での交流となりました。

 

 

 一方で、小学校クラスに通うヒアンさんの自宅訪問では、ヒアンさんの両親が亡くなり、おばあさんと弟と暮らしていること、近所の人から食料をわけてもらっていることや自宅にトイレがないことなどを知り、高校生らは驚きを隠せないようでした。その中でも「一番欲しいものは何か」、「何をしている時が一番楽しいか」という質問に対するヒアンさんの「勉強するための道具が欲しい」、「寺子屋に行っている時間が一番楽しい」という回答が、高校生には特に印象深かったようです。

 

 2日目は、カンボジア事務所のブッタ所長、寺子屋の先生や元学習者と交流しました。ブッタ所長からは「教育こそが貧困の連鎖を断ち切る鍵になると考え、寺子屋の設立を決意した」という話があり、高校生は真剣な表情で聞いていました。寺子屋の先生や元学習者とは絵を用いて交流し、「私の好きな時間」、「理想の学校/寺子屋」というテーマで質問や意見交換をしました。高校生もカンボジアの参加者も笑顔が絶えず、高校生からは「笑顔で話を聞いてくれて嬉しかった。言葉の壁は乗り越えられる。」といった感想が出ました。そしてツアーの最後に行った高校生同士の意見交換会では、「子どもたちの目を見て直接声を聞くと全然違う感情がわいてくる」といった感想とともに、「カンボジアのことをもっと知りたい」、「カンボジアに行って色々なものを直接見たい」という声が続出しました。

 

 

 

 最後になりますが、2020年度に始まった本ツアーが4年連続で実施できたのは、2019年度開催「第6回高校生カンボジアスタディツアー」の参加者たちの熱い思いをはじめ、厳しい状況が続く中で、本ツアー開催の意義を信じ支え続けてくださったかめのり財団の皆様、ご参加いただいた高校生、先生方のおかげです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

 

*寺子屋とは:日本ユネスコ協会連盟の教育支援「世界寺子屋運動」で、主に読み書きや職業訓練を提供する学びの場。学校とは異なり、全世代の地域住民を対象とする。

 

 

【概要】

プログラム名

高校生カンボジアオンラインスタディツアー

 

実施期間

2023年8月19日(土)・20日(日)

 

参加人数

全国の高校3校より高校生18名

 

目的現地に暮らす人々との交流(オンライン含む)を通して、主に教育・国際協力の視点からカンボジアが抱える諸課題を学び、コロナ禍において参加者ができることを考え、国際理解を深める機会を提供するとともに、参加者自らが世界の一員であるという自覚と、カンボジアの人とのパートナーシップの精神を育み、学んだことをアクションに移し、その取り組みを学校外にも発信する。

 

【15分ダイジェスト】高校生カンボジアスタディツアー2023(オンライン) – YouTube

こちらのリンクから、日本ユネスコ協会連盟が作成したダイジェスト動画をご覧いただけます!