【報告】「世界をつなぐ日本語」日本研究・日本語教育国際シンポジウム

 公益財団法人かめのり財団は、2023年8月5日(土)にベトナムのハノイ工科大学にて実施された第5回日本研究・日本語教育国際シンポジウム「世界をつなぐ日本語」へ助成を行いました。

 

 実施機関であるベトナム日本語・日本語教育学会(AJEV – Association of Japanese Language and Education in Vietnam)より届いた報告レポートを掲載します。

 

 


 

報告:ベトナム日本語・日本語教育学会

会長 ダオ・ティ・ガア・ミー

 

 このシンポジウムは、COVID-19の流行により世界での日本語学習者が減少傾向にある状況に対して、ベトナムでの日本語学習熱を取り戻し、国際社会の相互理解を促進する日本語の役割を維持することを目的として企画されたものです。オンライン形式と対面式を同時に行うハイフレックス型により行われ、前半は基調講演とパネルセッション、後半は日本語・日本語教育と日本研究の2つの分科会に分かれて進行しました。

 

 基調講演では、世界の日本語教育の現状と今後のあるべき姿についてカリフォルニア大学サンディエゴ校の當作靖彦教授が講演を行いました。続くパネルディスカッションでは、各地域、国家の日本語教育発展のための取り組みなどについて意見交換が行われました。後半の口頭発表では、多くの研究者の研究成果が報告されました。

 

 

 

 この日のシンポジウムには、オンライン参加とオフライン参加合わせて、約100人が参加しました。

 

 この事業実施を通じて、世界の日本語教育関係者と出会い、情報共有を行ったことで、ベトナムの日本語教師がより成長することができました。各分科会では、日本語教育研究者が研究成果を発表するとともに、参加者とのディスカッションを通じて互いに研究テーマをより深く、多方面から考えることができ、発表者と参加者がともに成長する機会となりました。さらには、東南アジアを中心に、世界の日本語教育関係者のネットワーク構築の場ともなりました。

 

 

実施概要

事業名

 第5回日本研究・日本語教育国際シンポジウム「世界をつなぐ日本語」

実施日

  2023年8月6日(土)

会場

 ハノイ工科大学、ベトナム

参加人数 約100名(ベトナム、日本、タイ、等)
目的

 文化庁の2021年の調査結果によると、日本国内の同年の日本語学習者は前年と比べ12万人減少したという。海外においても日本語教師や学習者が微減という報告があった。最も日本語教育が盛んな国の一つであるベトナムでも、ここ2年間日本語能力試験の受験者数が減少している。日本語学習者の減少の背景には何があったのか、日本語の熱を以前と同様に高めるためにはどんな政策、措置があるのか、国際社会での日本語の役割を維持するにはどのような取り組みが必要なのか。

 上記の問題を世界の日本語教育関係者と一緒に考え、コロナウイルス流行前と同様に日本語話者が世界のトップ10に入るほど日本語学習熱を取り戻し、国際社会の相互理解を促進する日本語の役割を維持することが本シンポジウムの目的である。

実施関係団体

 主催:ベトナム日本語・日本語教育学会

 共催:ハノイ工科大学

 支援:かめのり財団、国際交流基金

 後援:駐ベトナム日本国大使館