奨学生 10月の月次レポートを掲載しました
2026.11.02
かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。
かめのり大学院留学アジア奨学生
月次報告レポート(2026年10月)
横浜国立大学大学院国際社会科学府国際経済法学専攻
博士後期課程(D2)
朴 亨哲(パク ヒョンチョル)
1.研究について
博士課程2年次の後期が始まりました。講義科目の必要単位はすべて修得し、今学期はゼミのみを履修しています。学生としてゼミに参加する最後の学期となるため、一回一回の機会を大切にしたいと考えています。英語での質問や発表を事前にしっかりと準備し、これまで以上に積極的に議論に参加することが、今学期の目標です。
10月30日には、国際政治学会に参加する予定です。大会初日には指導教員の発表があり、その報告を会場で拝聴できることを楽しみにしています。また、さまざまな研究者の報告や議論に触れ、自分の研究についても新たな視点を得る機会にしたいと思います。
博士論文については、現在、草稿の執筆を進めています。分析対象とする四つの事例のうち、まず一つ目の事例までをまとめ、指導教員に確認していただく予定です。現在の構成や分析の方向性で引き続き執筆を進めてよいか、ご意見をいただきたいと考えています。これまでの進捗はおおむね順調ですが、最初の事例の検討を通じて、今後の分析につながる土台を丁寧に整えていきたいと思います。
文献の学習では、韓国政治や日本政治に関する研究に加え、哲学の書籍にも触れるようにしています。専門分野の理解を深めるとともに、異なる分野の考え方を学ぶことが、自分の問いや分析の前提を見直すうえでも必要だと感じています。研究に活用できるツールも増えているため、それらを適切に取り入れながら、効率よく学際的な学びを進め、その成果を論文の内容にも生かしていきたいと考えています。
2.生活状況について
10月初めに、妻の祖母に会うため、新幹線で1泊2日の仙台旅行に出かけました。95歳になる祖母は元気に過ごしており、これまでの人生で経験してきたさまざまな出来事を聞かせてもらいました。長い年月を生きてきた祖母の話には、自分の日常ではなかなか触れることのできない経験が詰まっており、貴重な時間となりました。特に、第二次世界大戦中の米軍による空襲の話を聞いたときには、今の自分がいかに恵まれた時代に暮らしているかを、改めて実感しました。
滞在中には、仙台名物の牛タン焼きやずんだも楽しみました。中でも、ずんだスムージーがすっかり気に入り、帰宅するまでに合計4杯ほど飲んだと思います。また、伊達政宗ゆかりの仙台城跡にも足を運び、写真を撮りながら散策を楽しみました。祖母の話にじっくりと耳を傾け、その土地ならではの食や歴史にも触れることができ、よい思い出になりました。
仙台を訪れて、現在暮らしている横浜に劣らず、住みやすそうな街だと感じました。短い滞在ではありましたが、いつか機会があれば仙台でも暮らしてみたいと思うほど、魅力を感じました。
今回の旅行は、家族との時間を過ごし、日々の研究の合間によい気分転換をする機会となりました。祖母の人生経験から学んだことも心に留めながら、また気持ちを新たに研究に励んでいきたいと思います。

かめのり大学院留学アジア奨学生
月次報告レポート(2026年9月)
筑波大学大学院人間総合科学学術院教育学学位プログラム
博士後期課程(D3)
甄 卓榮 (ケン タクエイ)
1.研究について
今月は中旬に日本に戻り、研究について主に3つの方向から取り組んできました。1つ目は、10月下旬の2つの英語発表に向けて、これまでの2本の投稿論文に関する内容を統合し、発表形式にまとめたことです。2本の論文はそれぞれ日本の高校生の「国家認識」と「国家の正当化・相対化意識」を主題としていますが、今回は両者の関係を丁寧に検討し、分かりやすくまとめました。10月23日には神戸に行き、国際社会科教育学会に参加し、自分の研究を英語で紹介しました。関心の近い研究者が意外と多かったです。香港やアメリカの研究者とも知り合い、今後は国際的な比較研究に取り組んでみたいと思います。
神戸の後は大阪に行き、全国社会科学会に参加し、社会科教育研究の最前線についていろいろ学びました。日本各地の研究者や学校の先生の話を聞き、共通する問題意識をある程度把握できたと思います。国家主義や排外主義、そしてAIがもたらす社会科教育ないし社会全体の変化について、教育者や研究者の立場からどう対応すべきかが、議論の焦点となりました。また、大会では以前面識のなかった他大学の若手研究者とも出会い、関心の近い研究者が何人かいました。今後は共同研究に誘ったり、誘われたりするかもしれません。
大阪の次は京都大学を訪問し、そこで1コマの授業を担当しました。英語での少人数のセミナーでしたが、1時間半という長い時間をたっぷり使い、問題意識や理論的基盤から自分の研究について詳しく説明する機会が与えられました。それを機に、先行研究を丁寧に省察し、自分の研究の意義をより明確に説明できるようになりました。
関西出張で非常に忙しかったのですが、余暇を利用して社会学の著作を読み、学問的基盤を固めることに力を入れました。特にマルクス主義や新マルクス主義についてより深く勉強し、その系譜をより明確に把握しました。これは自分の研究の位置づけを考えるためにも重要な材料になります。
10月中旬に日本に戻ってから、すぐに授業見学を再開しました。以前よりも三年生の授業に慣れてきたため、生徒と雑談する機会も増え、よりカジュアルな話し合いを通じて、生徒の授業に対する考えや悩みなどを理解することができました。特に、倫理の授業で「神道」や「国学」について学ぶ際、私にとっては知らないことばかりだったため、逆に「授業についていきにくい」生徒と同じ立場で授業を受けることができ、その授業経験を少し体感できました。全く知らない人名や単語が次々と出てきて、それを覚えるだけで精いっぱいでした。「批判的」や「多面的」に考える余裕がありません。羅列的に知識を紹介するよりも、1つや2つの概念について深掘りする方が、より確実な学びにつながるのではないかと思いました。
2.生活について
今月は家族が日本に来ました。私が今生活している街に祖母と母親を連れてきて、普段の生活の様子を見せました。大学の研究室、日々利用している体育館やグラウンド、行きつけの飲食店にも連れていきました。祖父は一昨年亡くなったため、一緒に関東を旅行することはできませんでした。その思いも胸に、家族と大切な時間を過ごしました。