2026年度にほんご人フォーラム ベトナム中等日本語教師全国研修

 

実施概要

 

日程

2026年8月6日(木)~8日(土)

場所ダナン市
対象ベトナム人中等日本語教師 北部・中部・南部の各地域から計31名
目的
  • 新しい日本語教科書の効果的な活用方法を学ぶとともに、21世紀型スキルの育成を意識した授業づくりについての理解を深める
  • 中等日本語教師同士のネットワーク形成

 


 

国際交流基金ベトナム日本文化交流センター

三本智哉(日本語専門家)・藤長かおる(日本語上級専門家)

 

 ベトナム全国の中等教育機関で日本語を教える教師を対象とした全国研修が、2026年8月6日(木)から8日(土)までダナン市において開催され、北部・中部・南部の各地域から31名の教師が参加しました。

 本研修は「教科書の効果的な利用法:21世紀型スキルの育成」というテーマで新しい日本語教科書の効果的な活用方法を学ぶとともに、21世紀型スキルの育成を意識した授業づくりについての理解を深めることと、中等日本語教師同士のネットワーク形成を目的として実施されました。

 

研修参加者集合写真

 

研修内容

 研修初日は、ベトナム教育訓練省国家外国語プロジェクト管理委員会のNguyen Thi Mai Huu委員長から「ベトナムにおける外国語教育の現状と展望」について、日本語教科書執筆チームのNgo Minh Thuy代表から「ベトナムにおける初等・中等教育の日本語教育と日本語教科書」についての講演があり、背景知識を深めました。

 

漢字作成ゲーム

 

 二日目は、まず、6グループ対抗の漢字作成ゲームでの協働体験を通して批判的思考や創造性について考えました。そして、新しい教科書の特徴と流れについて確認した後、語彙の活動、文型の導入、コミュニケーション活動の3つの観点から、教科書を用いてどのように21世紀型スキルを育成していくかについて、具体的な活動例を通して考えました。最後に、それらを自分の教室で出来る活動のアイディアとしてグループでまとめ、全体で共有しました。

 

活用アイディアのまとめ

 

 三日目は、参加者の関心に応じてテーマ別の分科会を実施しました。分科会のテーマは、①AI・ICT活用、②会話指導、③アクティブラーニング・プロジェクトベースドラーニング、④文法・語彙・漢字指導の4つで、教師同士で実践例や課題についてグループ内で共有し、考えた結果をグループの前で発表しました。発表では、「AIやデジタルツールを活用したポッドキャストプロジェクト」、「劇を使った会話能力の向上」、「楽しさ重視のPBL」、「生徒同士でできることばカードゲーム」といった実践的で楽しい21世紀型スキルの育成につながるアイディアが多く紹介されました。

 

テーマ別分科会の発表

 

参加者の声

 アンケートでは、研修全体の満足度は平均4.87、テーマ理解度は4.80、有用度は4.77(各5点満点)と高い評価を得ました。全体として、新しい教科書の効果的な活用方法や21世紀型スキルを育成する授業づくりへの理解、全国の教師との情報共有・ネットワーク形成を高く評価する声が多数寄せられました。さらに、今後の研修については、AI・ICT活用の実践例、模擬授業を含む参加型研修などへの期待が多く示されており、新学期に向けた参加者自身の授業改善への高い意欲がうかがえました。

 

終わりに

 「21世紀型スキルの育成」を取り上げた研修をベトナムで行うのはこれで3年目となります。テーマは毎回変わった方が新鮮でいいという考え方もあります。しかし、今回の研修で見せたべトナムの先生方の豊かな創造力と協働力をふりかえってみたとき、ひとつのテーマをいろいろな切り口で繰り返しとりあげることの大切さとその効果を実感しています。そして、それができたのは多方面においてベトナムの中等教育を支援くださったかめのり財団のおかげに他なりません。心から感謝申し上げますとともに、本研修での学びが教育現場に持ち帰られ、魅力的な実践へとつながっていくことを期待しています。