【報告】第12回 中学生交流プログラム インドネシアへの派遣事業
2026.03.03
かめのり財団は、次世代を担う中学生が異文化に触れ、多様な価値観を学ぶことを目的に、国際交流プログラムを継続的に実施しています。(公財)AFS日本協会と実施する「中学生交流プログラム」では、コロナ禍直前の2019年に実施したインド訪問以来、7年ぶりの開催となった第12回の派遣が実現し、関東一円から選抜された中学生10名がインドネシアを訪れました。学校交流やホームステイ、環境活動への参加などを通して、参加生徒たちは教室では得られない多くの学びを体験しました。本稿では、その取り組みの背景と成果を報告します。
報告:東海学園大学教授
山本 伸(随行団長)
調和の哲学を体感する――「トリ・ヒタ・カラナ」の島を訪ねて
近年、国際社会では異文化理解と協働の力がますます重要になっています。しかし、若い世代が実際に海外を訪れ、現地の人びとと生活や活動を共にする機会は決して多くありません。かめのり財団は、そうした課題を背景に、中学生を対象とした国際交流プログラムを実施し、実体験を通じて「世界とつながる力」を育むことを目指しています。今回訪問したインドネシアは、多様な宗教や民族が共存する社会であり、とりわけ活動の中心となったバリ島では、「トリ(神)」「ヒタ(人)」「カラナ(自然)」が相互に調和するという思想が、日常生活のなかに深く息づいています。

今回のプログラムは、2026年2月7日から15日までの9日間、インドネシアのジャカルタおよびバリ島で実施されました。ジャカルタ到着後は、オリエンテーションを行い、クイズなどを通して楽しみつつ、インドネシアについての基礎知識を学びました。ジャカルタ滞在中は、東南アジア最大級のイスラム教モスクの見学をはじめ、初めての手食体験やMRT(都市高速鉄道)への乗車などを通して、インドネシアの文化や社会、生活に触れたほか、日本国大使館への表敬訪問や国際交流基金の方とのランチ会を通じて、外交や文化交流の意義についても学ぶ貴重な機会となりました。


その後、空路でバリ島へ移動し、現地校での歓迎セレモニーや授業交流を中心とした本格的な交流が始まりました。日本の学校生活や食文化紹介プレゼンテーション、少人数での折り紙交流に加え、ガムラン演奏やバリ舞踊といった伝統芸能のワークショップにも参加し、生徒たちは言語や文化の違いを越えて、自然なかたちで交流を深めていきました。また、ホストファミリー宅での滞在では、家庭生活を共にすることで、よりリアルな現地の暮らしに触れることができました。


さらに、環境再生活動団体を複数訪問し、再生型農業や廃棄物管理の取り組みについて学ぶプログラムも実施されました。堆肥作りの講習やアップサイクル体験、ビーチ清掃などを通して、生徒たちは環境問題が遠い世界の話ではなく、自分自身の行動と深く結びついていることを実感したことと思います。


今回のインドネシア訪問は、単なる海外体験にとどまらず、異文化理解力、環境意識、自己表現力を育て、また人と人、人と自然、そして精神世界とのつながりについて学ぶ貴重な学習の場となりました。今後も、より多くの若者にこうした機会を提供し、国際社会に貢献できる人材育成につながる取り組みとして、さらなる工夫を重ねていきたいと考えています。

プログラム概要
| 実施団体 | 公益財団法人AFS日本協会 |
| 日程 | 2026年2月7日~15日(9日間) |
| 場所 | インドネシア(ジャカルタ、バリ島) |
| 対象 | 関東地域の中学生 |
| 参加人数 | 10名 |