奨学生 11月の月次レポートを掲載しました

 

 かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。

 

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2025年11月)

 

 

横浜国立大学大学院国際社会科学府国際経済法学専攻

博士後期課程(D1)

朴 亨哲(パク ヒョンチョル)

                  

究について

 

 今月は、博士課程向けの「開発協力」の授業を通じて、博士論文の構想を深めるうえで大きな学びを得ることができました。この授業は受講生が少なく、小林先生と私のほぼ1対1に近い形で行われるため、毎回約1時間半にわたり、私が提出した文献レビューやレジュメに対して非常に丁寧で厳密なご指導を頂いています。自分の文章の弱点や論理構成上の問題点を一つひとつ指摘され、それに対してその場で答えながら、次の週までに修正したものを再提出するという、かなり密度の高いプロセスです。精神的にも体力的にも決して楽ではありませんが、この過程を通じて「研究とは何か」「どのように論文を書くべきか」という基本に立ち返りながら、少しずつ自分の思考と文章を鍛えている実感があります。

 

 特に今月は、自分の博士論文の構想にとって重要となる文献と出会い、その文献で用いられている理論を手がかりに、現在の日韓関係を分析する際にどの点が不足しているのか、またそれをどのように補完し得るのかを検討する作業を進めています。負荷の高い指導ではありますが、このように集中的にフィードバックを受けながら、博士論文に直結する作業を積み重ねていることは大きな励みになっています。一人の研究者として成長していけるのではないかという手応えと希望を感じつつ、今後も粘り強く取り組んでいきたいと考えています。

 

 

生活について

 

 今月は、妻と義父が初めて私の家族と会うため、5~6日ほど韓国へ帰省いたしました。双方の家族にとって初顔合わせとなる場でしたが、私の家族が温かく歓迎してくれたおかげで、とても穏やかで良い時間を過ごすことができました。日本の家族も安心して喜んでいる様子で、私自身も心からほっといたしました。妻の仕事と私の授業の都合上、長く滞在することはできませんでしたが、主に水原市を観光しつつ、生まれ育った地域の風景や思い出を妻と義父に紹介できたことは、非常に意義深い経験でした。

 

 また、先月小林先生のご紹介で参加した勉強会について、主催学生の方から「ぜひ12月の会にも参加してほしい」とのお誘いをいただき、来月も日本の学生たちと交流できる機会に恵まれました。こうした場を通じて、日本の学界の空気を肌で感じられることに大きな期待を寄せています。さらに、前の指導教授から日韓関係に関する講演会のご案内を頂き、こちらも12月に参加する予定です。これらの機会をより実りあるものとするためにも、個人としての学習を一層深め、自分自身の実力を高めておく必要性を強く感じています。今後も日々の生活の中で、研究と学びに誠実に向き合っていきたいと考えております。

 

 


 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2025年11月)

 

 

大阪大学大学院人文学研究科言語文化学専攻

博士後期課程(D2)

NGUYEN THI LINH (グェン ティ リン)

                    

研究について

 

 11月は私にとって、何かと気忙しい時期です。というのも、学業の負担が一気に増すからです。まず、指導教官のゼミでは、毎週の発言と討論の準備に追われています。毎回のゼミでは、専門文献、とりわけ記号論や言語人類学に関する文献を深く読み込む必要があり、時には抽象的な思考の要求に圧倒され、ストレスを感じることもあります。しかし、難解な文献を読み終えた時には、この分野への理解が深まったことを実感し、次の文献にも挑戦しようという意欲が湧いてきます。また並行して、社会学の学会に参加し、自身の研究に関連するオンライン発表も日本で行いました。英語での発表資料の準備、そして国際的な研究者を前にした発表そのものには、確かに大きなプレッシャーもありましたが、その分、得られるものも非常に大きかったです。特に、鋭い質問を通じて、自身の研究の論旨の甘い部分を客観的に見つめ直す貴重な機会となりました。

 

 また、中間論文発表会が迫っているため、これまでの先行研究を体系的に見直し、方法論の章を仕上げることに、多くの時間を費やしています。時にはどこから手を付けたらいいのかわからなくなることもあります。そんな時は、「やれるところからやってみれば、自ずと道は開ける」と自分に言い聞かせ、まずは小さなタスクから一つずつ着手するよう心がけています。作業を細かく分け、一つひとつこなしていくうちに、少しずつペースが戻り、プレッシャーも和らぐと感じます。 

 

 

生活について

 

 学業以外での私の大きな心の支えは、ベトナム文化を学ぶサークル活動です。このサークルは毎週木曜日に活動し、SNSでも活発にやり取りをしながら、すたれかけた伝統的な祭事について調べています。先月は「重陽の節句」と「嘗新祭」について学びました。これらの祭りにまつわる故事を分析し、昔の人が直接的に口にしなかった想いを読み解くための、一種の象徴として捉えるのが私たちのアプローチです。農業文化が残してくれたこれらの知恵の結晶は実に素晴らしく、私は未来へ進みながらも、同時に過去へと深く分け入っていきたいと強く思います。

 

 また、私の小さな楽しみは庭の手入れです。先日、ツルムラサキの一部を抜いて、じゃがいもを植え替えました。じゃがいもを育てるのは今年が初めてで、じゃがいもはつる性植物ではないと知ったのも初めてでした。植えてからわずか一ヶ月で、じゃがいもの木は一手幅以上にも生長し、とても生き生きとしています。寒い冬が近づいていますが、この小さな庭がいつも生き生きと息づくよう、これからも大切に手入れを続けていきたいです。