国際交流基金ジャカルタ日本文化センターとの共催で、2024 年 11 月 21 日(木)にマカッサル(南スラウェシ州)、2025 年 1 月 23 日(木) にシドアルジョ(東ジャワ州)にて、「にほんご人フォーラム報告&体験ワークショップ」を実施しました。現地の日本語専門家による実施報告レポートをお届けします。
報告:国際交流基金ジャカルタ日本文化センター
日本語専門家 牟田 綾
今回の教師向けワークショップでは、達成目標の一つを「生徒の視点で授業を考える」とし、プロジェクト型学習の一部を授業体験パートとしました。体験ではグループで選んだトピックについて調べ、それをジグソースタイルで他グループのメンバーに共有しました。また、授業体験の前には体験で得られる洞察内容をグループで予測し、体験後に観点を整理しなおす作業をしました。
先生たちはアイスブレイクから大盛り上がりでしたが、特に体験パートでは、生徒になりきり全身全霊で活動を楽しんでいました。
にほんご人フォーラム2024(以下、JSF2024)に参加した 2 名の教師は、帰国直後からオンラインミーティングで学びを深めたのち、自身の現場で授業実践を行いました。実践後は、ワークショップのファシリテーターという初体験に向け、さらに準備を重ねました。ワークショップを作るという慣れない作業に苦労する場面も見られましたが、ここで培った経験は自身の授業構成を考える視点の獲得や、わかりやすく伝える技術をみがくことに役だつのではないかと思われます。
ワークショップ実施後のファシリテーターのふり返りでは「参加者がワークで躓いたときや躓きそうなときに、どこまでガイドするかが難しい」といったディスカッションもでき、ファシリテーションについて高いレベルでの気づきを得られたようです。
このようなワークショップ実施をとおし、教師らは学んだことをあらためてアウトプットする過程で学びについて再解釈し、理解を深め、自身の成長へとつなげることができた様子でした。
東ジャワのワークショップでは、JSF2024参加教師に加えて、過去のフォーラムへの参加経験がある近隣地域の教師ら 5 名もファシリテーターを務めました。ワークショップの中で各ファシリテーターが過去のフォーラムでの経験を共有する時間も設け、不安を乗り越えチャレンジした気持ちや、にほんご人フォーラムから得たものについて語ってもらいました。
インドネシアの大多数の高校教師にとっては「ハードルが高すぎる!」と感じてしまうにほんご人フォーラムへの参加(応募)ですが、先輩たちの声を直接聞くことで、勇気をもって一歩を踏み出す教師が増えることを願っています。
また、これまでのフォーラム参加教師らが集い、あらたなワークショップを作り上げることができたのも意義深いことでした。過去の参加教師の中には定年を迎える世代がいる今、関わった人々をつなげ、あたらしいコミュニティを作ることも大切だと感じます。これからもにほんご人フォーラムに関わった教師らがインドネシアの中等機関日本語教育の中核メンバーとして活躍してくれることを願いつつ、支援を続けていきます。
【実施概要】
実施期間 | ①2024 年 11 月 21 日(木) ②2025 年 1 月 23 日(木) |
場 所 | ①マカッサル(南スラウェシ州) ②シドアルジョ(東ジャワ州) |
参加者 | ①20 名(南スラウェシ日本語教師会所属教師)、ファシリテーター2 名 ②25 名(シドアルジョ日本語教師会所属教師)、ファシリテーター教師 5 名 |