奨学生 7月の月次レポートを掲載しました

 かめのり財団が支援する大学院留学アジア奨学生は、毎月月次レポートを作成し、月ごとの研究の進捗状況や日々の様子を報告しています。HPでは毎月、2名のレポートをご紹介します。

 


 

 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2025年7月)

 

 

東京外国語大学大学院総合国際研究科国際日本専攻

博士後期課程(D1)

Nguyen Thi Thuy Linh(グエンティトゥイリン)

                    

 

1.研究について

 

 7月も引き続き、研究と日々の生活の両立に努めた一か月となりました。大学の授業に参加しつつ、学内の学会や勉強会などにも積極的に参加しました。7月中旬には春学期が終了し、言語論学の授業における最終レポートを提出しました。レポートでは、日本言語学会のオンライン学会で発表された「日本語願望の構造について」に着目し、内容を整理・考察して執筆しました。

 

 また、他の研究生との勉強会にも参加し、月2回、火曜日の夜に日本語学に関する論文を読み、意見交換を行いました。7月19日には合同ゼミにも参加し、研究活動を通して夏休みに本格的に取り組む課題を整理することができました。

 

 夏休み中は一時帰国して家族と過ごす予定ですが、研究を怠らず、既に収集した研究テーマに関連する参考文献5本をしっかりと読み込み、今後の研究に活かしていきたいと考えています。

 

 

2.生活について

 

 生活面では、7月も体調管理を心掛けて過ごしました。近隣には武蔵野の森公園と野川公園の二つの公園があり、天気の良い日には散歩をして気分転換を図っています。雨の日には屋内でエアロビクスを行い、運動不足にならないよう工夫しました。角部屋かつ1階の住まいのため、近隣への騒音を気にせず運動できる点も助かっています。

 

 7月末には、夏休みを利用して家族がベトナムから来日しました。子どもにとっては初めての日本訪問であり、関西空港から姫路市に住む親友の家に滞在しました。姫路、神戸、大阪、京都を観光した後、東京にも足を延ばし、いくつかの観光スポットを巡りました。猛暑ではありましたが、各地の魅力を十分に楽しむことができました。特に嬉しかったのは、子どもたちがお寿司やうなぎ丼など日本料理を大変気に入ったことです。多く移動して疲れることもありましたが、よく食べて元気に過ごせました。特に細身の息子が2キロ増えたことは、大変喜ばしい出来事でした。

 

 8月初旬には家族とともにベトナムへ帰国し、約3週間滞在する予定です。久々に実家で両親や親戚、そして友人や同僚に会えることを楽しみにしています。また、子どもたちの新学期準備も手伝うことができ、有意義な夏休みになると考えています(ベトナムの新学期は日本と異なり9月初めに始まります)。精神的にもリフレッシュし、8月末に日本へ戻った後は、秋学期に向けて研究活動に一層励む所存です。

 

 


 

 

かめのり大学院留学アジア奨学生

月次報告レポート(2025年7月)

 

 

上智大学大学院文学研究科新聞学専攻

博士後期課程(D3)

麻 俊凡 (マ シュンボン)

 

 

1.研究について

 

 私の研究テーマは、1930〜40年代の旧満州において推進された日本の国策移民「満蒙開拓団」を、中国語新聞における報道と表象を通して考察することです。この移民政策は、日本の農村救済と満州支配の強化を目的とした国家主導のもので、これまでの研究では主に日本語資料や政策決定過程に焦点が当てられてきました。一方、中国語新聞における日本人移民の描写や言説に関する研究は少なく、本研究ではこの視角からの考察を試みています。

 

 7月は、指導教員の勧めで、元開拓団員の証言を収めた『幻い村』を読みました。当時の若者の記憶が、これまで学んできた政策の歴史的文脈と重なり合う場面が多く、個人の記憶と国家政策の接点について理解を深める貴重な機会となりました。

 

 また、期末に入り、試験監督や追試対応といった学内業務が増えたため、計画していた国会図書館での資料収集は一時中断せざるを得ませんでした。夏休み期間を活用し、引き続き中国語新聞のデジタルアーカイブからの分析を進めるとともに、必要な文献調査を国会図書館で行う予定です。

 

 

2.生活について

 

 今月も引き続き運動に力を入れており、日々のランニングを通して体力の向上を実感しています。最近では、5キロを35分以内で走りきれるようになりました。以前よりも疲れにくくなり、日常生活でも気力が湧いてくるのを感じています。


 7月は、東京の夏を楽しむ機会も多くありました。中でも、初めて訪れた隅田川の花火大会が印象的でした。今回は「穴場スポット」で観覧することができ、大通りにみんなが座って夜空に広がる花火を間近に感じながら、夏の風物詩を満喫しました。祭りの賑やかな雰囲気に包まれ、日本の季節の文化を肌で感じることができました。